どちらも気になる平均寿命と健康寿命
毎年発表される「平均寿命」。ここしばらく日本は世界1位となっていますが、最新データではどうなのでしょうか。また近年耳にする機会が増えてきた「健康寿命」について、いろいろと紹介します。
平均寿命と健康寿命の違い
平均寿命とは、「0歳における平均余命」です。つまり、その年に生まれた0歳児が、それから何年生きられるかを予測した数値です。2021年の平均寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳となっています。(厚生労働省の発表による)
一方で健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。介護などに頼ることなく、健康的に日常生活が送れる期間といえます。2019年の健康寿命は、男性は72.68歳、女性は75.38歳でした。(健康寿命は3年に1回、厚労省から発表されており、現在は2019年のものが最新です)
ちなみにWHO(世界保健機構)発表の2022年版世界保健統計によると、男女あわせた平均寿命は日本が1位ですが、男性の平均寿命だけを見てみると1位はスイス、2位が日本となっています。
健康寿命を延ばすために
WHOの統計によれば、日本の健康寿命の男女平均は世界1位であり、2位がシンガポール、3位が韓国とアジアの国が占めています。日本では現在も健康寿命を延ばすために、国や各自治体で様々な取り組みが行われています。2019年に厚労省が策定した「健康寿命延伸プラン」では、2040年までに男女ともに健康寿命75歳以上を目指しています。
<健康寿命延伸プラン(抜粋)>
1.次世代を含めたすべての人の健やかな生活習慣形成等
・食塩摂取量の減少など健康になれる食環境づくり ・子育て世代の支援センター設置促進、妊産婦対象の健康支援 2.疾病予防・重症化予防 ・健康診断や各種検診の受診のすすめ ・医学的管理と運動プログラムの一体提供など ・歯周病対策の強化 3.介護予防・フレイル対策、認知症予防 ・高齢者の社会参加を促す通いの場の拡充 ・栄養バランスのよい弁当配送サービス推進 |
こうした施策を通して、健康無関心層も含めた予防・健康づくりの推進や、地域による格差の解消などにも取り組み、健康寿命を延ばすことにつなげたいとしています。
生活習慣を見直し健康寿命を延ばす
健康寿命を延ばすために私たちが個人としてできる取り組みもいくつかあります。厚労省が提唱しているのは、「テクテク・カミカミ・ニコニコ・ドキドキ」な生活習慣です。
<個人でもできる取り組み(心構え)>
1.テクテク歩きましょう
・生活の中に運動を、まずは歩くことから ・1日30分歩くのを目標に、息がはずむ程度のスピードで ・体調にあわせたマイペース、時には楽しいスポーツも 2.カミカミしましょう ・和食・日本食は健康長寿食 ・よく噛むことが老化予防や体力増進にもつながる ・早食い・大食いは避けて、腹八分目で 3.ニコニコしましょう ・笑いの健康効果(ストレス解消、癒し効果、自律神経安定など) 4.ドキドキ・ワクワクしましょう ・五感を使って感動を、豊かな刺激を前頭葉に |
こうした取り組みは、老化を遅らせ、高齢期の健康を高めることにつながります。世界一の長寿国である日本では、健康寿命をいかに延ばすかが重要なのです。
長く健やかな毎日へ
健康への取り組みは時代とともに変わり、医療面など進化したものもあれば、ストレスを受ける要因などは現代の方が多いかもしれません。
ただ、自分でできる範囲の取り組みを続けることが、自らの健康寿命を延ばし、充実した人生を送ることにもつながっていると思います。健康寿命を意識することは、そのための一つのきっかけになるかもしれませんね。