知っておいて損はないリフォーム助成金補助金制度
リフォームを行う際に、国や自治体から助成金・補助金が出るケースがあることは、意外と知られていないかもしれません。今回は、補助の対象となる工事や金額、条件等についてご紹介します。
助成金制度とは
リフォームの助成金(補助金)制度とは、 主に住宅の耐震化や省エネ化、バリアフリー化を行う際に、ある一定の条件を満たしていれば、 国や自治体などからお金が助成される制度です。
一例を挙げると、国土交通省が主催する「長期優良住宅化リフォーム推進事業」という制度の補助金があります。住宅の性能向上や子育てしやすい環境整備などのため、住宅の劣化対策や耐震性向上、省エネ性能向上を行うと、リフォーム費用の1/3(最大で一戸あたり80万~210万円)が補助されます。
地方自治体でもリフォームの助成を行っています。自治体主体の助成金制度は、地元の活性化を目的としているものも多く、「地元の建設業者に依頼すること」が条件となっている場合もあります。
制度の注意点として、ほとんどの場合、リフォーム工事の着手前に申請しておくことが必要です。工事が始まってから、あるいは完了後に申請しても受理されません。また、制度には予算の上限が定められているため、早めの申請がおすすめです。年度初めに募集開始となったものでも、夏には終了してしまうケースもあります。
各地域(自治体)ごと、期間や年度によって制度の内容が異なることも多いため、最新の情報の確認を怠らないようにしましょう。
リフォーム助成金制度の例
住宅リフォーム助成金・補助金制度は様々なタイプのものが用意されています。ここでは、省エネ化・耐震化・介護(バリアフリー化)に分けて紹介します。
<省エネ化>
「住宅省エネ2024キャンペーン」は、3つの省庁が主催する大規模な事業です。以下の4事業が参加しています。 ●子育てエコホーム支援事業(国土交通省/2,100億円(R5年度補正予算)、400億円(R6年度当初予算)) 開口部や外壁などの断熱改修、エコ住宅設備の設置等。補助金額:5万円~(上限20万~60万円) ●先進的窓リノベ2024事業(環境省/予算1,350億円) 窓の断熱改修。補助金額:一戸あたり5万~200万円 ●給湯省エネ2024事業(経済産業省/予算580億円) 高効率給湯器の設置。1台あたり8万~20万円 ●賃貸集合給湯省エネ2024事業(経済産業省/予算185億円) 潜熱回収型給湯器の設置。1台あたり5万~7万円 <耐震化> 住宅の耐震診断や耐震補強工事に関しても、助成金・補助金対象の工事となるケースが多いです。 ●耐震診断(建物の種類や金額等は自治体により異なる) ●耐震補強改修工事(建物の種類や金額等は自治体により異なる) ●ブロック塀の撤去・解体工事(地震の際に倒壊危険性のあるもの。金額等は自治体により異なる) <介護リフォーム> 自宅に要介護者または要支援者の認定を受けた方が住んでいる場合、介護保険を利用した助成金制度により、バリアフリーリフォームに活用することが可能です。要支援・要介護の区分に支給限度額は20万円で、自己負担額は改修費用の1~3割となります(割合は利用者の年齢や所得により異なる)。 ●手すり設置(廊下・階段・浴室・トイレ・玄関等、転倒予防や移動・移乗のため) ●床等の段差解消(各部屋の出入り口、スロープ設置等、転倒防止や車椅子移動のスムーズ化) ●引き戸への取替え(移動や開閉時の負担減) ●洋式便器への取替え(ただし、元々ある洋式便器を洗浄機能や暖房付きに変更する場合等は対象外) |
名古屋市の助成金制度
名古屋市の住宅リフォーム関連の助成金・補助金制度の一例を紹介します(2024年5月時点) 。愛知県内では名古屋市以外も多くの自治体で助成金制度を用意しています。今住んでいる自治体ではどんな制度があるか、どんな内容か、詳しくは該当する自治体のホームページ等で最新情報のご確認をお願いいたします。
●非木造住宅耐震改修助成(耐震改修設計費用の2/3、または400万円で、いずれかの低い額以内)
●木造住宅耐震改修助成(一戸あたり一般世帯最大100万円、非課税世帯最大150万円) ●住宅等の脱炭素化促進補助(例・太陽光発電設備・HEMS・蓄電システムまたはV2H充放電設備を同時に導入の場合、築10年超の戸建て住宅1kWあたり30,000円(上限6.5kW)) ●家庭用燃料電池システム(エネファーム)設置費補助(1台あたり3万円) |
申請は早めに行うのが吉
繰り返しになりますが、リフォーム助成金・補助金の申請は早めに進めることがおすすめです。工事着手の事前申請が必要であるケースがほとんどで、なおかつ制度によっては予算の上限や予定件数が少ない場合など、すぐに申請受付が終了してしまいます。
どうしてもその助成金を利用したいなら、次の年度まで待たなければなりません。リフォームの予定がある際は、こまめに自治体のホームページをチェックしたり、早めにリフォームのプロに相談したりするなど、手を打っておきましょう。