2021年03月01日
4月1日生まれは早生まれ 1日の差で学年がちがう理由
4月1日生まれは早生まれ
1日の差で学年がちがう理由

4月1日生まれの人は、同じ年の3月に生まれた人たちと同じ学年になります。一方で、1日ちがいの4月2日生まれの人は、1年あとの学年。4月1日だけ特別な感じがしませんか?今回はその理由をご紹介します。
●4月1日生が早生まれの理由
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
同学年で誕生日が一番早いのは、4月2日生まれの人です。この話題は、最近も情報系のテレビ番組などで取り上げられたりして、ちょっとした「うんちく」の一つになっていたりします。
では、なぜ4月1日ではなく、4月2日が一番早いのでしょう。その理由は、法律上の年齢の数え方によるものです。年齢が一つ増えるタイミングは、「誕生日の前日」の「最後の瞬間」と法律で決められているのです。
つまり、
4月1日生まれの人:3月31日の23時59分59秒999…に歳をとる
4月2日生まれの人:4月1日の23時59分59秒999…に歳をとる
というわけで、「4月1日生まれ」と「4月2日生まれ」は学年(年度)が分かれる。そのため4月2日生まれの人が、その学年の一番早い誕生日となるのです
●年齢計算は法律で決まっている
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4月1日生まれが早生まれとされるのは、どんな法律によるものなのか、順を追って確認してみましょう。年齢の数え方は、明治35年に公布・施行された「年齢計算ニ関スル法律」によって決められています。その第一項にはこのように書かれています。
「年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス」 要するに、生まれた時刻が何時何分かは問わず、生まれた「当日(誕生日)」を1日目として年齢を計算する、というわけです。このように、期間を計算する時に初日を含めることは初日算入と言いますが、年齢以外の期間を計算する場合は初日を算入しないのが原則です。さらに、「年齢計算ニ関スル法律」では民法第143条を準用することになっており、条文の中に以下の記載があります。 |
「(一部抜粋)その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。」 だんだん難しくなってきたので簡単に言えば、誕生日の前日午後12時に1歳年齢が加算されるということです。前項で書いている「前日の23時59分59秒999…に歳をとる」という部分は、これに当たります。
|
●なぜ4月1日が特別扱いなのか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4月1日を早生まれとする制度(法律)は、どうして設けられたのでしょうか。一説によると、2月29日生まれの人への配慮によると言われています。
ご存知のとおり、閏(うるう)年の2月29日は4年に1回しか巡ってきません。もしも「2月29日の当日に歳をとる」ということになると、数字上は4年に1歳しか年齢が増えないことになります。中には「その方がいい!」という方がいるかもしれませんが、不平等・不便であることにもつながります。そうした点に気遣い、法律で細かく決められている…という説が、一般的のようです。
「誕生日の前日に歳をとる」ということは、2月29日生まれの人でも、前日の28日に1つ歳を重ねます。閏年以外の年でも、2月28日に歳をとることになるので、不利益は生まれません。ただその結果として、4月1日生まれの人は、年度またぎの3月31日に歳をとることになり、学年が1つ前になる…というわけです。4月1日が誕生日の人は、全体から見れば少数かもしれませんが、元プロ野球選手の桑田真澄さん、プロフィギュアスケート選手の八木沼純子さん、小説家の林真理子さんなどが有名です。
●4月1日に何を想う?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
皆さんの周りには、4月1日生まれの方はいらっしゃるでしょうか。その方に、4月1日生まれならではの「あるあるネタ」や、誕生日や学年にまつわる思い出などを聞く機会があったなら、興味深い話に出くわすかもしれませんね。